明治八年五月一七日地租改正事務局の上諭5か条
新井克美著「公図と境界」P35、P36の部分
明治八年五月一七日地租改正事務局の上諭5か条
今般、地租改正事務局が開被候(ひらかれそうろう=開かれましたこと)に付而は(ついては)、明治6年7月28日の上諭(じょうゆ=冒頭の天皇の裁可を示す文章)を奉体(ほうたい=心にとどめ)し、本局・諸官を統卒し、左の条件を服膺し(ふくようし=忘れない様にし)、以(もっ)て地租改正法を実際に施行すべし。
として、次の五か条の条件を特達した(地租関係書類彙纂〔六〇〕・明治前期財政経済史料集成第七巻三四九頁)。
第一条 凡(おおよ)その規則を加除・変更することあらば(=加除・変更することがあれば)其(その)法案を作り、上裁(じょうさい=天皇の決裁)を経て施行すべし(=施行すること)。
最も(もっとも)各地の緩急(かんきゅう=早い遅い)を審案(しんあん=吟味)し、施行の前後を決定するのは其権内にあるべし(そのけんないにあるべし=その各地の権力の範囲内にあるものである)。
第二条 土地の広狭(こうきょう=広い狭い)を丈量し(じょうりょうし=測量し)、郡村の経界(けいかい=境界)を正し、其(その)所有を定め、其(その)名称を区別し、地価を定め、地券を渡し、地租の増減を審案(しんあん=吟味)し、各地をして施行し、其当(そのあて=その適切かどうか)を得せしむ(=得させる)。
第三条 各地方の地租改正の調査が終りて新税(=新しく決まった税)を施行する毎(ごと)に、反別、地価及び税額の増減を詳記し(しょうきし=詳しく書き)、正院(せいいん=太政官の最高官庁)に具状すべし(ぐじょうすべし=書き述べること)。
第四条 凡(おおよ)そ本局掛りの諸官員の進退(しんたい=処遇)奏任(そうにん=官人任命形式の一)以上は之(これ)を具状し(ぐじょうし=書き述べ)、命を乞(こ)い、判任(はんにん=官吏の等級の一)以下は之(これ)を専行(せんこう=独断で)することを得べし(=可能とする)。
第五条 本局の官員を地方に派出する時は心得違之無様(こころえちがいこれなきよう=心得違いがないように)別段に命令状を授付すべし(じゅふすべし=下げ渡すこと)。
これを受けて地租改正事務局は、明治八年五月二四日、府県に対して、同局が設置されたことに伴い、
郡村之経界(=郡村の境界)を更正し(=改め直し)、土地の広狭(こうきょう=大きさ)を丈量し(=測量し)、其(その)所有を定め、其(その)名称を区別し、地価を定め、地券を渡す等地租改正に関する伺い届けの申牒(しんちょう=文章)」(地租改正事務局達乙第一号)は直ちに同局へ提出すべき旨を達した。
赤文字は読み方
青文字は私の解釈
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