荻原浩さんの小説「海馬の尻尾」を読み終えました。

 

海馬の尻尾

海馬の尻尾

 

荻原浩さんの小説「海馬の尻尾」を読み終えました。あるヤクザの方が反社会性パーソナリティー障害であることから精神病院に隔離されるというお話しなのですが、私の中で当たりの小説でした。

 

当たりとは私の中で荻原さんの小説は当たりと外れがあると思っている方でその割合が半々ぐらいです。だから、今回のは面白く読めました。海馬とは脳にある海馬のことでその精神病院では反社会性パーソナリティー障害だけでなくそれ以外にも脳?にまつわる精神障害の方が出てきます。ウルバッハビーテだったか、そんな名前の。

 

興味深かったのは反社会性パーソナリティー障害は恐怖心がない又は少ないという点とさらに恐怖心が全くない病気のもあったこと。ヤクザの方にはそういう人が多いのかと思ってしまいがちな点にそうではなくその主人公の方が特別にそうだったという点も。

 

そして、その精神病院では治療という名の実験が繰り広げられ(しかも国策という)、それがよくロシアとかで実験がされたりしているのを想像してしまいました(あれは人体実験でなく動物実験だったか?)。

 

また、そのヤクザの方が恐怖心が薄れ、人間味あふれるように改善していくのも興味深かったです。他にも伏線はあるのですが。