「去年の冬、きみと別れ」を見てきました。驚きの内容がわんさかでした。

昨日、映画で「去年の冬、きみと別れ」を見てきました。何となく聞いたことがある題名だなと思っていて、最後のエンドロールで中村文則さんの小説のやつだったかと思って以前読んだやつだなと思いました。内容はすっかり忘れていて逆に新鮮に感じましたけど。

 

内容は様々な伏線に彩られて驚きを隠せない内容となっています。裏切りと残酷さ、人を信頼するということが疑わしくなるような中で、斎藤工さんが演じた天才カメラマンはまさに狂気といって良いほどで良い演技をされていました。カメラのシャッターを撮る時の不気味な笑みは気持ちが悪いほどで特に最後の方でこの伏線に基づく罠のことが書かれている本を彼は読むのですが、その時のいかれた感はある意味良かったです。まるで自分をこの罠に放り込んでくれたことに喜んでいる陶酔感のようでもあり、壊れていく自己統失感でもあり、その狭間でどちらなのか分からない表情をしていました。

 

永遠の愛を誓った盲目の女性と岩田剛典さんが演じるフリーライターが海辺で幸せそうにしているのを見て、こういうのを幸せっていうのかなって思っていたらそれを一気に突き崩すかのように現実という地獄がそれもジェットコースターのように急転直下で雪崩式に訪れます。

 

虐待、近親相姦、禁断であり奴隷関係などなど様々なことが入り混じって少し気持ち悪くなりますが、伏線、罠、演技、言葉で表すのは中々難しいですが、最後は崩壊という感じです。濃い映画でした。