「パラサイト」半地下の家族のサブタイトルを付けるとしたら・・・

「パラサイト」半地下の家族を見てきました。これを私がサブタイトルを付けるとしたら、「一寸の虫にも五分の魂」といったところでしょうか。どういう意味かというと、この映画は韓国で社会問題化している半地下で住んでいる家族が裕福な家庭にいろいろな職業(家庭教師、運転手、家政婦など)につく、といえば聞こえがよく、要は裕福な家族を騙して寄生(パラサイト)するというところから始まります。

 

始めはその騙している様が半地下で過ごしていたとは思えないほどプロ集団のように演技をするので魅入られ、また真に迫って面白く感じます。中盤は急にきな臭くなります。その裕福な家に地下の存在があったからなのですが、その地下は半地下よりもさらに底辺の場所です。世界のどこかで他人の家の屋根裏部屋に何十年と住み続けた人がいるらしいですが、それを彷彿とさせます。

 

で、端折りますが、そこに住んでいた人が狂気に見まわれ、殺人を繰り返すのですが、その少し前にパラサイトする家族の中の父親が少し不穏な空気を醸し出します。私にはサブタイトルを付けたことの意味がここにきています。これだけ底辺に住んでおり、無計画に生きろと子供に諭し、裕福な家族を上手く騙していた人にプライドが沸き立ったのです。

 

そのプライドを傷つけられた後の行為は映画館で見てほしいですが、最後のシーンもそこに繋がっていると思っています。プライドのなせることだったのでしょう。この映画はとても興味深く面白かったし、先が読めない分、時間の過ぎるのも早かったし、アカデミー賞に選ばれるのも最もかなと思いました。