ふるさと納税は「工夫」なのか、「ルール逸脱」なのかについて。

ふるさと納税 宴の後(1)「寄付集めは悪いこと?」 (令和元年6月11日付日経新聞

ふるさと納税は自らが住む自治体に収める住民税などを、故郷などゆかりのある自治体に寄付する仕組み。言い換えれば、各地が税を奪い合う制度ともいえる。旅行券や和牛などの返礼品で納税者をひき付けるのは、自治体の「工夫」なのか「ルール逸脱」なのか。

このふるさと納税とは地方間における群雄割拠を明確にあらわしたものです。地方創生ではありません。地方創生なのであれば「工夫」と言っても良いでしょうけど、他地方の税金を奪い合う形なのですから、どこかが勝てばどこかが負ける。

 

だから、一定のルールが必要となるのです。その決められたルールを守らなければなければ歯止めがききません。後に書かれている文章がそれを物語っています。

ふるさと納税は恒久財源ではないことがはっきりした。バブルに頼っては将来が危うくなる」。町の一大プロジェクトを頓挫させたが、伊藤に後悔はない。「不適切な手法で他の自治体の税を奪い取るのは、法解釈以前の問題。自分たちだけで良ければいいという考えは倫理的に間違っている」

ただし、現実問題として地方が生き残るために生き残り作戦を模索するのは仕方ありません。他の地方自治体のことまでを考えている余裕はないところにそういう制度を作った政府側にあるかもしれません。

市長の千代松大耕(45)は4日の会見で「制度本来の趣旨は首都圏と地方の税収格差是正にある。新制度は趣旨に沿って広がった寄付に急ブレーキをかけるものだ」と批判した。

制度本来の趣旨が首都圏と地方の税収格差是正にあるのだとしたら首都圏の方から地方になにがしか取れるようなやり方をすべきでしょう。今のままだと単に地方間の取り合いだけにしかなっていません。