新紙幣発行とキャッシュレス化と高額紙幣廃止論について

新紙幣24年度から、20年ぶり お金の未来どこへ(平成31年4月10日付日経新聞

政府・日銀は9日、千円、5千円、1万円の新紙幣を2024年度に流通させると正式発表した。日本は世界に類をみない現金大国で、最新技術で偽造防止を強化し、今後も安全な決済手段として維持する。一方、政府は25年に現金を用いないキャッシュレス決済の比率を欧米並みの40%に上げる方針も掲げており、お金の未来像はみえてこない。

記事自体には何も書かれていませんでしたが、新紙幣の写真とその選ばれた人の名前が載っていまして、1万円は渋沢栄一、5000円は津田梅子、1000円は北里柴三郎です。寡聞にして津田梅子という方を知りませんでした。北里柴三郎も名前だけです。まあそれは良いとして気になったのは次の文章です。

日本でも今回の紙幣刷新について、一部では「キャッシュレス化を促すために1万円札の廃止を議論してもよかった」(野村総合研究所木内登英氏)との声がある。ただ政府・日銀は現金主義が根強い日本で1万円札をなくせば混乱を招きかねないとして見送った。

 去年にインドのモディ首相が1000ルピーと500ルピーの廃止をしました。日本でいえば1万円札と5千円札の廃止に当たろうかと思いますが、今、インドは1年たって経済がそのために停滞しているようです。モディ首相の次の選挙でも支持率がそのために下がっているとも聞きます。時期尚早だったのではないでしょうか?日本も見送ったのは良かったのかもしれません。

 

私はキャッシュレス化を促したい背景に消費意欲を喚起させたいのではないかと思っています。キャッシュレス化になれば財布の紐は自然と緩む。そこに自動的に経済活性化を目論む。今回の新紙幣発行については停滞したお金の動きを新紙幣発行ででもして促そうということでしょう。

 

キャッシュレス化も高額紙幣廃止にまで行くには難しいのを補ってくれる。消費税増税をするけどポイント還元でそんなのはなかったようにしむける手法と似通っていますか。

 

日本の「現金大国」という言葉が揶揄されるような雰囲気に私は少し嫌気をさしますが、それはひるがえって見れば偽札が横行する国とは違う。お金に信頼をおけるという点で特筆すべき良い国だとも言えます。ただし、信頼を置きすぎるのは玉に瑕ですが。