池井戸潤さん原作の映画「七つの会議」を見てきた感想

池井戸潤さん原作の映画「七つの会議」を見てきました。野村萬斎さんの演技は少し芝居臭いところがありましたが、役的立ち位置は私は好きですね。特に出世や上からの圧力など何にも縛られずに生きる。はたから見たら無能で何もしていない輩に見えますが、その実、裏で大企業の陰謀をあばく。ただ自分の人生は捨てたものとして立ち向かうからそのようにできるのかもしれませんが。

 

一度本も読んでいますが、私が今回映画を見て思ったのは会社というしがらみに生きなければならないという弱さ、その弱さの上では不正には不正だと分かっていてもあらがえない弱さ、その葛藤に苦しみつつも何年もそれを続けた後に何が残るのかという忘失感、私たちはなぜ働くのか?という問いがこだましてしまう。

 

私たちは不正やリコールというニュースが出るたびにそのことを考えないわけにはいきません。ましてや人名がかかっているものだとしたらなおさら。後の方で香川照之さんが男泣きする場面が出てきますが、そこにこの映画の物語るものがあると思います。そして、鹿賀丈史さんのドーナツを無残にする扱いも。

 

出世とは何なのでしょうか?