「ある」社会と「ない」社会

今の時代は「ある」という前提で作られています。昔は「ない」という前提で作られていたため今の人と昔の人との価値観が決定的に変わっているわけです。

 

「ない」という前提で作られていた社会は「ない」から物は作らないといけません。「ない」から情報は取りにいかないといけません。「ない」から「ある」に至る経緯に対して相当な努力をします。悲願を作ったりもします。だから「ある」に至った場合、非常な喜びと感謝の気持ちがわくことでしょう。ありがたみというものですね。

 

ひるがえって、「ある」という前提で作られた社会は「ある」ためもう物を作る必要がありません。「ある」ため情報も取りに行く必要がなく必然的に受け身になります。「ある」ためありがたみがわくこともなく当然と感じ、感謝の気持ちもわきません。

 

便利というのは人々を喜びに導いていくというような感覚を一見みせてくれますが、その裏で、その陰で、見えない中で失われていくものがあるということです。

 

成長社会から成熟社会へと移行した日本はこの次はどのように移行すべきなのでしょうか。