ウィリアムターナーの絵画展に行って考えたこと。

京都文化博物館で今開催しているウィリアムターナーの絵画展を見てきました。風景画の画家ですが、当時は一番底辺の位置にあった風景画でこれだけ確立した絵で有名ななった理由はどこにあったのでしょうか?

まず気になったのは明暗の対比です。遠近の位置で明暗が特にはっきりと別れています。遠い方が光りがあたったように明るく近い方が暗い。それは遠い方が非日常、近い方が日常という対比、遠い方が理想、近い方が現実という対比を表しているように見えます。私たちも少なからずその対比で生きています。そこが神話、宗教画、人物画よりも低位に位置されたがゆえに見えてきた真実のようです。

 

次に壮大な風景に対し、小さい人や動物という対比です。まるで自然という神に対しては生き物はちっぽけなものだと言わんばかりですが、逆に言えば、その壮大な自然に対し、あえて小さい生き物を書いた意図がある気がします。私たちはいろいろな困難に遭遇するも何度となく乗り越えてきました。ちっぽけながら描かれた人間や動物を見ているとそれを想像してしまいます。 

 

そして、これらを総合して想きすると「人類の挑戦」なのではないかと思いました。引いては低位置にあった絵を描くにあたっての挑戦かもしれませんが。